「岡村隆久さんは大阪を中心にこれまで40年近くにわたり、現代美術に精力的に活動を続けられていま
す。今年で
64歳という年齢を感じさせない大胆な感性とパワーをご覧ください」ギャラリー店主大原さん
の弁

 
原稿をいただいたとき、65歳となっていた。「すみませんまだ64歳です」と言いながら笑ってしまった。
もう何か月かで
65歳になるなあ、と思ながら、些細なことを訂正する自分の姿。いくつになっても定年も
なく、絵を描いておられるし、ますます楽しくなってくるこの頃。欲を言えば、もう少し小銭が欲しいが、
こればかりは好転しない。

 展覧会が決まった時点で、店主の大原さんがアトリエに来てくれて、あまり一般受けしない抽象画系の
ものを中心に飾ろう、と言ってくれた。毎日一生懸命描いているやつらなので、うれしい限り。どなた様
も買ってください。分かりにくい絵ですが、いいですぞ。

 
 

画廊オーナー:大原さんのお誘いで展覧会をしていただいた。久しぶりの京都、かつて都のあった京都は、風格のある独特の街並みだ。

ウインドの音
何年か前、フラッと画廊に入ってきた男の方が「オーボエを吹いている」「オーボエ?」「チャルメラだよ」と名刺をくれた。
それまでオーボエとクラリネットの違いを知らなかった。いまだに音の違いがあやしい。ただあの黒い縦笛がなると、身体
が動く。サーカスの音だ。その方、芸大の先生で、大阪オケの奏者だ。

ウインドの音

アトリエの絵の具。何色あるのかなあ。多分一枚の画に、5,6色しか使わないと思う。グレーの静かな色調で描いている人
を見ると「シックできれいだなあ」と思うようになったが、オレには出来ないとも思う。原色の赤、黄、青、緑が使える
ことはいいことだ。

わたしはわたし

教科書に載っていた一休禅師の肖像画を見たとき、「俺に似ている」と思った。昔はいやだったが、今、あの顔はアジがあっ
てなかなかいい。一休さんは、天皇家の一族で当時も今も権力財力の権化のような人だったかもしれない。でもあの肖像画
のままのひとなら、いいなあ。

ラッパ吹くひと
岡村さんの絵は、JAZZです。音楽を感じます。題材となる具体的な物があって、後はアドリブで原型は見た目解体され、
心の目に如何に忠実に仕上げられるか、七転八倒するそうです。一枚に数ヶ月かかる絵もあるそうです。<蕎麦マイスタ
ーの三宅さんより>