EXHIBITION    TAKA Okamura    2023
岡村隆久 展  
2023年 5月17日〜5月31日  茨木市立川端康成文学館ギャラリー 
 
180cmx90cm の絵が並ぶ 
 
オレねえ、ここの会場が好きなんですよ。こじんまりしているけれど、白い壁、高い天井、石の床、
そんな空間がオレの絵を迎えてくれるというか、ほほ笑んでくれるというか、子どもっぽい表現かも
しれないけれど、ま、相性がいいんだ。
会場の壁にメモ用紙でこのように書いた。 
 
 
 赤色の絵を
飾るよ
赤色が
 翔んでいるよ
赤色が
笑っているよ
 
 
展覧会の飾りつけは2時間で終わった。4人の方がたが手伝ってくれた。今回は90x90cmの絵を二つ継ぎ合わせて
一枚にした絵が6枚ある。画廊の中で絵の裏に板をあて、木ネジで継ぎ合わせた。その6点をそれぞれの
場所に置いてみる。メジャーで計り、配置場所を決める。天上のピクチャーレールから吊り金具を下げていく。
まず簡単に吊っていく。それから下端あわせでメジャーをあてる。「5ミリ上げて こっちは3ミリ下げて 
おおぴったり」なんて作業である。そんな作業が着々進み飾り終わった。もしこの作業を一人でやるとなれば
大変だっただろうと思いながら4人の方がたに感謝と、前日の深酒を反省した。飾り終わって、「よし いい絵だ」
自画自賛の満足である、ジジイの大迫力だ。もう少し画廊が広ければねえ、絵と絵の隙間はこの倍ぐらい欲しい。
 
 
まる三年、機嫌よく絵を描いていた、たくさん描けた。「さて どの絵を出品するか」
「今回は赤い絵を中心に考えてみよう」時々、“ぼやき”コーナーに書いているが、
オレの絵具箱には、20ぐらいの色数が入っている。赤・青・緑・黄といった色が三四色づつぐらい、
それと黒と白である。黄色をメインとした絵はないね、黄色はワンポイントに、
ちょっとした飾りによく使う。赤・青・緑がメインの絵具で、このどれかを太い筆で、
ばっさり描く、そしてまた、ばっさり塗る、そしてまた、ばっさり走らせる。
 
 
 
 
 
 
赤色の話。どの赤色が好きだと聞かれたら、そうあのまっかっか、と答えるが、
言葉ではなかなか伝わらない。黄色が混じった赤色、青色が混じった赤色、黒色が混じった赤色、
これでは、説明しきれていないとわかってるが、これらの色が隣り合って、せめぎ合って、
仲良くし合って、いい絵になるのだとごまかしておく。
 
 
「よし 今回の展覧会は 赤い絵を中心に飾ろう」と決め、アトリエの在庫の絵を奥から引っ張り出し並べた。
 
 
この画廊の前にある緑道がじつにいい。オレが十歳代で茨木に引っ越してきたころは、両側が土手で、
その中を小川が流れていた。小川と言ってもある程度のりっぱな水の流れがあった。その川を埋め戻して、
一部を道路に、その残りに、太い残りに、木を植え散歩道を造った、この木々の植わった道がいい。
 
 
 
 
 緑色の話。この色は樹々の葉っぱの色、どこに行っても緑色には困らない。しかもあらゆる階層の緑色、
若葉色から、夏の葉っぱ、透き通った緑色から濁ったもの、光ったもの、うぶげの生えた緑色、
たくさんあるけど、オレが使いこなせるのは、3色、4色ぐらいかな。
 
 
  青色の話。最近ウルトラマリーンという青色に凝っている。この色は、
フェルメールで有名な青色、当時は高価な宝石:ラピスラズリを砕いてキャンバスに塗り付けていたが、
現代では化学が色を作ってくれるらしいので、安く買える。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
緑色の話。この色は樹々の葉っぱの色、どこに行っても緑色には困らない。しかもあらゆる階層の緑色、
若葉色から、夏の葉っぱ、透き通った緑色から濁ったもの、光ったもの、うぶげの生えた緑色、
たくさんあるけど、オレが使いこなせるのは、3色、4色ぐらいかな。
 
 
 
 
 
 今回の展覧会で、絵と絵の間に、小さい赤色、小さい緑色のキャンバスを飾った。これ、いいじゃないのと、気に入っている。
 
 
 「絵を描くことは、スポーツじゃねえんだ」なんて言い訳をしながらも、いつも肝に銘じる言葉がある。
いつも肝に命じながら、実行できずに、裏目裏目に出てしまう。「無心になれ」これだ、欲をかくな、いい絵を
創ろうと思うな、いやむしろ、絵を描こうとも思うな、キャンバスに色を入れるだけ、ただ入れるだけ、手も頭も
無視して、ただ色を入れろ。
よく言うじゃない、「勝とうと思うな」とか、「相手を意識するな」とか、
「無心で行け」とか、とか・・。
この言葉は、スポーツだけにあるんじゃなくて、人生の言葉だよな。
 
 
 
 
 
展覧会の搬入、搬出、雨に降られると嫌だ、雨の中、絵を運ぶのは大変だと思っていたが、搬入、搬出共に
降られなかった。傘マークが出ていたので心配していたが、晴れた時間帯に絵が運べた。
 
 
 
 展覧会が終わってほぼ一週間、やっと日常が戻ってきた。たくさんの方々に来ていただいた。オレをささえてくれてる皆様に
ありがとうございました、感謝です!!
 
展覧会 動画 video2023bunngaku 
 
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