えかきのぼやき 画文 2006年・2007年 
 
 
2006年 正月 大阪能楽会館 
狂言の「蝸牛」<かぎゅう>と読むらしい。舞台の上では「かたつむり」とか
「でんでんむし」といっていた。山伏が「でんでんむし、でんでんむし」
と大声で囃したてるさまは大笑いしてしまった。
今回は、その前に、大鼓、小鼓、笛のレクチャーを受けた。能狂言にはそれ
プラス、太鼓がある。たいこと、おおつづみと、こつづみと、ふえだ。舞台の
進行中は後ろに控えて静かに座っているが、いったん演奏が始まると、
エネルギッシュで、力強い。笛の人は上半身を立ち上げて、力を込めて吹いて
いる。打楽器奏者は顔を真っ赤にして、「おう」とか「うう」とかの囃して。
へええ、こんなに力強いモノだったのかと、初めて知って、ただただ感激。 
 
 
2006年  展覧会前
展覧会まで後2週間。タブローは去年にたくさん描いた。いいのも何枚か在る。
何十枚と描いた画が、全部残っている。展覧会の準備は、案内状を作って配る
ことと、画を額に入れること。画が売れてないので、運転資金が乏しい。額は
前のものを使う。さあ、皆さん、いいのがありますよ。買ってくださいよ。
右の写真は、進行中の画。これらが出来上がるのは、1,2ヶ月先かな。 
 
 
2006年 演奏会
ピアノ協奏曲。モーツァルトとベートーヴェン.。ひろみさんとみどりさん、
テレマン協会の熱演。いい。いいなあ。ヴゥラボ!
音楽音痴のオレにも、ピアノの音が心地よい。
気になるのはドレス。アレ、いい?今までたくさん見てきたけど、日本
人で、ドレスの似合う人少ないんだよな。着物でピアノ、おかしいかな。
いずみホールには、自転車で行ったので、帰り、徳庵駅前のお好み焼
きや「またまたづき」に寄った。「吉谷君このアテの数々うまいですぞ」
負けてもらって、2000円。 
 
 
 2006年  安威川にいた カワセミ
今日は睡眠不足ぎみ、いつもの安威川河川敷、途中で帰るかと走り出した、
だんだん身体が軽くなってきた、阿武山が近づいてきた所で「オオ、カワセミ」 
コバルト色の小鳥。10メートルづつ前え前えと、そして向こう岸の葦に、横つか
まりでじっとしている。オレもじっと見つめる。デカイ嘴と、青い羽。と、2メ
ートルほど横に飛んで、ぼしゃ!「オ!」嘴大の魚の腹が銀色にキラリ光って、
口の中に消えた。カワセミの狩猟が見られるとはラッキー。
阪神大震災、11年目の日だそうだ。
 
 
2006年 1月 27〜31 岡村隆久展 ギャラリーみずの
1年半ぶりの、展覧会。最近は収入の少ない分、時間はたっぷりあった。作品は、
時間をかけて、たくさんつくった。個展日時が決まったのが12月。案内状に、
額装にとざわざわの日々。展覧会が始まると、友と話して、ぼ〜。風邪ぎみの
体調で、ぼ〜。てんらんかい たくさんの友が来た 紳士は髪を撫ぜ
アーティストは帽子をかぶり 淑女は口紅をキリリとさし
靴をカッカと鳴らして オレの画を見に来てくれた オレに会いに来てくれた
うれしい時間が過ぎた
明日はもっといい画かくぞ 次回も会いに来てください 
 
 
2006年 花 アンジェリーク
友人の弘子さん 「花の画を描いて」いただいたのが チューリップの 
アンジェリーク。「ハイ、花ね」と いただいた 自作の 白い花器にいれ飾った。
3日、4日 少しづつ 花が開いてきた。 白に 少しピンク 八重の花弁 オオ 
華やか さきほこりだした オレ 永い人生 花をめでることは なかったなあ
いまさら この花 すごいぞ とは いえないがほ〜 すごい いい花だ
キレイキレイ!! 
 
 
2006年 1月 27〜31 岡村隆久展 ギャラリーみずの
1年半ぶりの、展覧会。最近は収入の少ない分、時間はたっぷりあった。作品は、
時間をかけて、たくさんつくった。個展日時が決まったのが12月。案内状に、
額装にとざわざわの日々。展覧会が始まると、友と話して、ぼ〜。風邪ぎみの
体調で、ぼ〜。てんらんかい たくさんの友が来た 紳士は髪を撫ぜ
アーティストは帽子をかぶり 淑女は口紅をキリリとさし
靴をカッカと鳴らして オレの画を見に来てくれた オレに会いに来てくれた
うれしい時間が過ぎた
明日はもっといい画かくぞ 次回も会いに来てください 
 
 
2006年 雨
よく雨が降るなあ 長い長い時間 空から 水滴 空は 水滴の 製造工場
自転車で走る 笠がさせないので 濡れる 濡れた濡れた と すぐ着替え
られたら いいんだけど 服が濡れると 寒い冷たい  
 
 
2006年  反射鏡
丸い 凸面反射鏡 があって 森 アスファルトの道路 オレ 見る
森が写る 「てやんでぃ 鏡の外も森だい」 空が写る 鏡の外は まだ
森だ 鏡の中に 陽の光 落ちてきて
光が ピカリと 指し示す 道路の上の 
 
 2006年 海
海を見に 行きたいなあ 渋滞を考えて 3時間は かかるかな オレ 車の
ハンドルを握る 浜には 松ノ木がアル 防波堤があると 海が見えない
海のむこうが 見えない 砂浜がいい 断崖絶壁は 恐ろしい 港 おお
これはいい オレ 港 スキだね 港は 小さい漁港がいい 小さい船
が並んでいて オレ じっと座って 宇宙を見る  
 
 
2007年 還暦
かんれきじゃ かんげきじゃ 赤い服を着た オレ 60歳を 半年過ぎて 
花の季節 服は 同級生の 道子さんが 作ってくれた 60歳 などと 
思えないけど 体力は 減っている 最近の画 赤の 絵の具を よく使う
もう これからは 赤だけで やるか でもないか 
 
   
 2007年 花の季節
アトリエは 絵の具の 色だらけ 野山よりも きれいだぞ と おもっていた
今は 野山も きれいだ と おもう 図版は山に咲く花 カタクリ
 
 
2007年  PHOTO
写真を撮りだして 一番思うことは 光の明るさ を 計算に入れなくては と 
画を描くばあい 昔はともかく 今は 光を 無視 している 
もちろん 光が 無ければ 画も 見えないぞ などと いわないで
オレが 見える ことで オレが 絵の具 重ねる 
 
 
2007年  車をもらった 
トヨタ ハイエース レジアス 8人乗り 8年 15万キロ 
先日までの マツダボンゴ に比べたら 内容、性能 格段にいい 
ただ ガソリンが 3割ほど余計にいる
山仲間の コーコさん その知人から もらってくれた 
また 絵描き旅 でかけたいね 
 
     
2007年 十歳代の同級生と花見
奈良と三重の境 仏隆寺、曽爾村、三多気と三箇所周った
仏隆寺は りっぱな一本の木 まんがよく満開
曽爾村は 二週間ぐらい早い 標高が高いからだ
その代わりに ふるえながらの弁当の後 ハイキング
三多気は 満開 山沿いの旧街道 に残る 旧民家
茨木に帰って 花より団子 と 弁慶に 
 
 
 2007年  淀川  
城北公園で 菖蒲を 見た
六月に入って 体の調子がいい
これは うれしいことだ
自転車で 淀川 左岸 河川敷
ワンド がある
おっさんが 魚釣り
ここは いい こんど よる こよう
 
 
2007年  安威川
「はちまきの おっちゃん」といわれてるんだって オレ あいかわらず 
はしってる へびは もう 10匹は 見たな 子づれの カルガモ 
うおつりの おっさんに 魚を もらう サギ こどもの野良犬 5,6匹 
まいにちまいにち かわる いろがかわる くうきがかわる においがかわる
オレ の 画 も まいにち かわる いいのができてるぜ
こぜにがたまったら うってやるぜ 
 
 
 2007年  間人(たいざ)
先日-久しぶり−日本海−間人のまちを−訪れた−相変わらず「美しい」−感動
海と山とのわずかな−隙間に−立てられた-住宅は-質素だ−海に転る-石を組み
壁は板張り−屋根も瓦など少ない-そんな<モノトーン>の小さい家々の重なり
今年に入って−北陸方面−富山の山を−いくつか登った-高速道路からと
インターチェンジからと−登山口までの-車窓から見るだけだけど-北陸富山の
農家の−家家は−立派だ−真っ黒に光る-本瓦−雪対策に組まれた−堂々の柱梁
黒く焦た黒塀−真っ白な漆喰壁-これまた「美しい」-あたり一面−水田に
水はられるあぜ道-模様-空を写して−キラキラ-光る-最近耳にする
世界文化遺産−自分の-故郷を−世界文化遺産に−したいかなあ−ばかじゃないか
くだらん-せっかくの-うつくしさ-そこなわれるよ
 
 
 2007年 アトリエ昨今
下の画、ただいま進行中。オレのように、気合で「えいやあ」と画を描く手合い、
「えいやあ」の感覚、ちょっと狂うと、うまくいかない。ちょっとの事だけど
うまきいかない。「だめ」である。昨夜、画をもとめたい、という嬉しい方来られ、
額装した2、3点を出してきた。オレ、過去の絵、かえりみないけど、2,3年前に
描いた、その絵を見て「うむうむ、なかなかいいじゃないか」悦に入った。
今朝、昨夜の、悦を取り入れて、描いている。
「で、売れた?」「いやあぁ、残念だけど、、、」
 
 
2007年 人権ワークショップ
写真は手作り太鼓 塩ビ管の筒に壁紙 長さ20センチ 2時間足らずでできた 
いい音が出るが もうすこし大きいほうがいいかな 市の人権講座で太鼓を作った。
太鼓に張ってある皮は、牛の生皮だ。皮を鞣したのが、革だ。水につけた牛の生皮
は柔らかくなっていた。それを紐で張る。一日も経てばいい音がする。牛を割り
(屠殺) 肉に、脂に、革に、骨粉に、我々は牛の全てをいただいてきた。そんな
作業の技術者が、差別に苦しんでいる。 
 
 
2007年  「狼を放つ」
100年前 日本の山野に 野生の狼がいた 害獣ということで 駆除されつくした 
鹿などが増えすぎて 山野が荒れている 狼を放せば 少しでも昔の自然に戻ると
丸山先生は言う 大台が原に 狼を>10匹ほど放したら 枯れていく木々も 
青々とするかも アメリカ在住の友人の話 アメリカでは、野生の狼が増えすぎて、
被害が増えている。「狼を守れ」という、人権派の環境保護団体と駆除しよう
という、被害者の間で、もめているとか。 
 
 
2007年 安威川 
河川敷にいる尾瀬から帰ったばかりだ 日本で 一番きれいだ といわれる 
尾瀬だ デモ オレ イマ ドブ川に近かった 安威川に居る 陽の光が 斜めに 
黄 と むらさき 草が 青に 緑の揺れる 水は臭うが 流れているココ も 
イイジャナイカ 安威川も 上流にダムが出来るという 早速 この景色は変わる
だろうな ダム の功罪 聞くけど 50年ぐらいの 年月で ダムは消滅するのかな
いずれにしても 明日の 安威川 悪くなるだろうな 
 
 
 2007年  ひこう船
MR阪口の奥さんが ペンションを始めた 蓼科高原 ピラタスの丘
先日来 衣川さんと 2度行って 看板やらチラシやら 写真の看板は
アトリエで 厚板を くっつけて ペンキで 書いて 向こうに もって
行って ボルトで くっつけた 
終わって 自転車で 白樺湖まで サイクリング 衣川さん サイク
リング部 出身で 登りの坂では 自転車から 降りてはいけない
ルールだそうだが オレ 歩いて押した 切り替えのある 自転車でも
登りは しんどい 下りは爽快 のはずが これまた恐い 
 
 
2007年 来廊御礼 
2007年 10月 17日〜31日 茨木市立川端康成文学館ギャラリー
展覧会搬入の前日、今回出品する絵を全部車に載せた。仕事場がすっきり片付いた。
描きかけ、進行形の絵を壁に掛る。マダマダ未完成の絵をじっと見つめる。
この絵をどういう風に描き進めていこうかと考えていると、やっと日常が戻って
きたと、安心する自分を発見。展覧会の会場と時期が決まって、どの絵とあの画
を出品しようと考えつつ、出品する絵の製作、額の手配、案内状の作成、配布、
発送、と雑用がある。若い頃は、出品する絵を何度も手直しして、額に入れたり、
出したり、コレでいいのかまだなのかと、迷いつつ製作していた。何度も画廊に
行って、人と会って、話をして、そんな打ち合わせが楽しかった。しかし今はもう、
絵を描く以外のそんな雑用が、楽しくなくなってきた。
普段は、絵をじっと見つめて、考えて、悠々と時間が過ぎていく。何時間か経って、
「ココにはこの色だ」と絵がささやいてくれる。あくる日また、絵をじっと見つ
めて、考えて、悠々と時間が過ぎていく。そんな日が何日も過ぎて、「や、できた」
と絵がささやいてくれる。このときが一番うれしい。だからといって、「や、
できた」の絵が、全て素晴らしいできあがりとは限らない。というより、ほとん
どが、まずい絵だ。 
 
 
 2007年 虹
アトリエの窓から 虹が見えた 方角は 東だ セキトウオウリョクセイランシ
このあたり だんだん 汚くなってきた 空も 緑も 風も くすんできた
人が多くなってきたからだ そんな時に 久しぶりに 虹が みえた きれいだ 
そうだ まだまだ 夕日も朝日も きれいだった な
 
 
2007年 安威川
すすき なのか よし なのか
河原に わたぼうし 陽の光に キラキラ
てんらんかいが つづく
じっと こもって いたいなあ でたくないなあ
気持ちが ざわざわするなあ
アレは 葦 だろうな 白く 光ってる