少し前まで、安威川に架かる橋の下に多くの人が棲んでいた、ほとんどがおっさんだった。
ひとりで静かに暮らす男。数人で、粗大ゴミを集め修理する集団。アルミカンを集める集団。
昼には、旨いものを食い、乾杯もしていた。将棋や碁も流行っていた。
夜は灯りも点けず、ひっそり暮らしていた。
ある時期に、その場所に金網を張る工事が続いた。
今はもういない。

この主人公のおっさんは
酒が好きなのか、よく酔っていた。
犬をかわいがっていた。