天狗岳T 2021年 9月27・28・29 
 
 
 ただいま高速道路を信州に向かっております。天気は快晴、朝日が眩しい。同行の番匠さんと運転を
交代しています。番匠さんは登山じゃなく長距離ランの人。入笠山(にゅうがさやま)
のマナスル山荘に行きたいとおっしゃる。ならば目的地で別れ、帰りは一緒というコースで
行きましょう、と出発した。オーレン小屋を拠点に硫黄岳と天狗岳を登ろうと考えた。
 
 一日目
 
桜台の駐車場に車を止め テントシラフを担いで オーレン小屋へ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今回の山計画、番匠さんに登山口まで送ってもらって、マナスル山荘へは車で行ってもらい、
二日後また登山口まで迎えに来てもらうのがいいか、オレが番匠さんをマナスル山荘まで送って、
それから登山口に行き車を駐車するのがいいか迷った。あれやこれや迷った末、「朝5時に茨木を出発すれば
 あれやこれやが解決するのでは」という朝が早い彼の意見に従った。
 
 
 
 
 
 桜台の駐車場からオーレン小屋まで、コースタイムは1時間半。荷を担いでも2時間強で行けるのでは
と計算した。荷を軽くするため火を使わず、晩飯は弁当、翌朝と昼の食事は行動のパン類、
これらでなんとかしのぎ、二日目は車に帰り着き、ラーメンをつくればいいと計画した。
 
 
1万年前の縄文人も このあたり 歩いたかな 歩いていたよね 
 
 
 
 
 
 ナビの先導のままに三井の別荘地を抜けると、左側が唐沢鉱泉と書かれた看板がある。そこを右側に進み、
未舗装のがたがた道、下・中と駐車場があるがもっと上が空いているはずと突き進んだ。
 
 
 
 
 
 オーレン小屋に着いた。テント場代が高い、3000円もした。道の整備の土木作業、
経費がかかるだろう、ま、仕方がないが明日は車中泊にしないと・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 早いが陽の高い5時ころに夕食の弁当を食べた。陽が翳りだすと気温がどんどん下がってくる。
シャツを2枚、ダウンの上下でシラフに潜り込んだが、夜中は寒かった。
 
 
 
 
 
 
 
 二日目
 
5時起床。朝食は手造りサンドイッチと水。防寒具を脱ぎ、靴のひもを締め、テントをそのままにして 5時半出発。 
 
 
 尾根に登ってきた、二つ小屋が並んでいるが二つとも閉鎖している、コロナなのかな。「モモンガと 
ヤマネが屋根裏にいる 小屋」昔からこの看板は見ていたがいつも素通りしていた。
 
 
 1時間で硫黄岳、がんばるべ、と言いながらも疲れが溜まっているのか身体が重い、これじゃ先が思いやられると
一歩一歩である。樹が無くなり岩と土、左側は火山の壁、ジグザグジグザグ高度を稼ぐ。
 
 
 
 肌寒い、長袖シャツを2枚とヤッケの上着、フードまで被っている。
 
 
背丈より高いケルンが出始め、いよいよ山頂だ、だだっ広い小さい石ころの山頂、空は曇っているが
青い空も見える。まわりのほとんどが雲海だ。四五人の方がおられた。赤い軽石、
赤いと言ってもレンガ色の軽石がてっぺんに散らばる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 硫黄岳のてっぺんに来ると思い出すのが強風の話。すごい風が火口に向かって吹く、20キロのザックを
背負っても飛ばされそう、「今だ」と少しずつ四つん這いで進む、ケルンにつかまり、また、「今だ」
で次のケルンに進む、時間をかけ、風のゆるいところに来た時はほっとした。同行は衣川・操・岡村の3人だった
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
山に来て感じることだけど、身体が疲れ、日常から離れると脳の働きがおおいに低下する。若い頃は探しもの
ばかりしていたが、最近は、ザックの中、ポシェットの中、テントの中、一つ一つの物の収納場所を決めている。
「あれはどこ さっき在ったのに・・」「あの書類・・」山の中では考えることを忘れてひたすら歩く、
事故を起こさない、道を間違えない、時間を間違えない、水は、食料は、雨具は、これだけでいいのだ。