若狭駒ケ岳 2020年5月24日 |
倒れた幹に カメラを置き 自動タイマー 後ろは 池である |
二か月ぶりの滋賀県の山、若狭駒ケ岳を目指して車を走らせている。 道路の電光掲示板には、「出歩くな 県境を越えるな」という文字が流れている。 尾根道は滋賀・福井の県境なんで、兵庫県から来た人は、大阪、京都、滋賀、の四つということになるねえ。 |
なだらかで穏やかな尾根道、汗をかいているが涼しい風が心地いい。 陽は照らない、青空はない、白い雲で覆われている。 |
見上げれば、樹々の葉っぱが密に密に空を覆う。萌えだしたころと、夏の間ぐらいの緑の濃さだ。 今日は白っぽい空、雨は降らないだろう空、シャツ2枚でちょうどいい快適さである。 |
二組の人と 出会った 一組は 子どもたち連れ 福井熊川からだそうだ |
池が見えた。池の水はきれいではないが、いつ来ても水が枯れたのを見たことがない。 モリアオガエルの白い泡がいくつもぶら下がっている。 |
水は、「飲める 澄んでいる」というにはほど遠いが、水の中の草木が陽に映え、 雪に映え、紅葉に映えていつきてもいい感じだ。池の水はきれいではないといいつつ、 この池の存在は、オレに言わせれば、一見の価値あり、本当にいいものですぞ。 |
「カッコー カッコー」ほう、長いあいだ鳴いている。「ホ〜」フクローの声はすぐにやんだ。 「ケキョ ケキョ」この声はあちこちから聞こえる。「チッチ チッチ」 これもあちこちで聞こえるがなんという鳥かな、一種類だけかな。 ゲラのキツツキ音がさかんに聞こえる。キツツキ音を真似してみるが、 この回転数は異常に速く真似のできない回転数である。 てっぺんにはカラスまでいた。トビも何匹か見た。 |
「おおお でかい樹だ 下のほうは緑のコケが青々と張り付いている、すぐに二俣にわかれ、 またその上で二俣に分かれている、樹の大きさに圧倒されてしまったのか、 まわりには樹が生えていない、素晴らしい樹だと見惚れていると、 「なんだ ブナだ ブナの樹だ」木肌の模様がこれまた、いい雰囲気である。 |
この山全部、草はシカが喰ってしまったのか、土の上に木が生えている森だ。 なだらかな尾根道、ずっと下まで見渡せる谷底、空気が旨い。 |
オレの頭の上 頂上の標識である 若狭駒ケ岳 780M ちょっとの間 青空が出ていた |
「あれれ どっちだ こっちだ」と頭の中の磁場が回転して、自分の立ち位置を失ってしまった。 地図の読めない おっさん状態である。 「男は地図が読めるものだ」と思っているが、常々オレはこの方面が弱いのかもしれないである。 |
人がいない山にはいってくると、「おおお」と妙に気になる樹がいくつかある。異様に大きい、 異様に太い、枯れていてもいい、倒れていてもいい、苔むし朽ちていてもいい、 「おお どうしたんだい」「なんで ひっくりかえっている」「もうすぐ 姿が消えてなくなるかな 中まで腐ってきているかな」「ないか いうことないかね」 「オレのことを どう思うかね」「いやあ 好きだねえ 惚れるねえ」 |