焼岳2 2019年10月5・6・7 日 |
二日目 焼岳にむかって 7時出発。雲がひとつだけあるという青空。 朝は昨日の鍋にアルフアー米を入れたおじやを食った。 |
ひとつのピークあたりに苔がいっぱい、緑のいつも見ている苔ではなく、 ちょっと白っぽい苔が斜面一面に、ほんわかぽこりんと貼りついているさまは素晴らしい。 |
ごつごつした岩の山、石ごろごろの間に土がある、硫黄臭、煙が上がる、いよいよ火山の山、どんどん登る。 |
火山活動はいまだに活発で、微細な振動が常時あるようだ。大正時代の噴火の写真を見た。 奥飛騨温泉あたりからの写真では、焼岳の姿の3倍ぐらいの爆発が写っている。 先日の御嶽山どころの規模ではない。今回北峰2393Mに登ったが、南峰2455Mは入山禁止になっている。 |
ふうふう言いながらやっとてっぺんにやってきた。なんと爆裂の山、火口の下には大きな池がある、 二十三十人がいる。 |
秋の日曜日、焼岳は上高地から3時間、 平尾温泉側、合掌の森中尾キャンプ場から5時間で登れるようだ。 西穂からは人が少なかった。 |
「火山域」という看板。焼岳は噴煙が昇る活火山、北海道の雌阿寒岳でも同じようなことが書かれていた。 御岳山も突然の噴火でたくさんの人が亡くなった。火山噴火は予知できないそうで、 焼岳もいつ爆発するかはわからない。気をつけて登ろう、 とはいえ気をつけようにも,つけようがないが・・。 |
乗鞍が見える、霞沢岳が見える、後ろの穂高が見える、下に目をやると、奥飛騨温泉郷、上高地が見える。 |
焼岳小屋、小さな小屋だけれど10人ぐらいの人がいた。 ここから焼岳に登っていく。 |
ポツリと来た、雨具の上着を車に忘れてくるという大失態、 「天の神さま どうぞ 降らないように」と祈るばかりと苦笑。 森の緑は深くなる、大きな針葉樹が立ち並び、笹が草が生い茂リ、 地面はしっとり湿っている。北アルプスの尾根道とは思えない茂みの中、空気が美味い。 |
冷たい風がひやりと流れる。雨具の上着を車の中に忘れてきた、 「えらいことをした 大丈夫かな 大失敗だ」とひやひやものである。 雲海が見える、小さい鳥が木の間を飛んでいる、尾根道だと思っていたがどんどん下る。 |
この道沿いに池が三か所あった。もっとあるのかもしれないが、地図には、 「きぬがさの池」だけが命名されている。 |
西穂山荘から10分ぐらい下ったところに、左上高地-3.5K、右焼岳-4.5Kの分岐点がある。 思い出すのは50歳ぐらいのころ、このあたりで山下さんを救出した。 2月の雪の中、「西穂の小屋で会おう」澤山・岡村は今回と同じコースで小屋に居た。 夕方になり暗くなり、おかしいねえ、来ないねえ、心配しはじめ、外に出てみるが、 3.4M積もった真っ暗な雪の中、探しようがない。電話をすると松本を出ているという。 「ベテランの彼が・・」と朝一番に装備をつけて大声を出しながら下って行った。 多分この分岐のあたりだと思うのだが、声がした。テントがあり、青白い顔をした山下さんが 呆然と立っていた。早速湯を沸かし茶を飲ませた。「上高地は庭だよ 写真を撮ったりして 3時間で登れる ゆっくりしていた」「雪に足を取られて進まない だんだん暗くなってくる ザックをデポして 空身ならいけるだろうと歩いた」「なんとテントの灯が見えた 助けてくれ 中に入れてもらった」「テントの中 寒くてさむくて 朝まで眠れなかった」 という顛末で、我々はみんなで小屋まで戻り山下さんは生気を取り戻した。 長谷川さんのテントがなければ、山下さんは固まっての発見となっていただろう。 |